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中小企業診断士受験支援ブログ

番外編:実務補習感想と唐突な自分語り

こんにちは、エミリーです。中小企業診断士の実務補習に参加したのでその感想などを書きます。特に後半は自分の考えをアウトプットしているだけなので、この記事を読んでも試験の点数は上がりません。

ブログ全体の目次

意識高い系の内容となっており、高まりすぎた意識を落ち着かせることが急務。

実務補習

だいたいの流れ

先生1人+メンバー6人で、2週間のうち5日間集まって1社の経営診断を行いました。(以降、集まる5日間をDay1〜Day5と表記)
まずDay1・Day2が連続で続き、1週間の自習期間のあとにDay3〜Day5が続きます。診断先の社長にお会いするのはDay1とDay5のみです。

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実務補習のながれ

恵まれていた点

先生、メンバー、診断先に恵まれて、大変良い機会となりました。感謝。

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実務補習のながれ(うちの班)

先生:おそらくトップクラスに良い先生だったのではないでしょうか。段取り&指摘の的確さが素晴らしく、これまで先生が担当した実務補習はどのチームも残業(?)なく終わられていたそうです。

  • Day1前までにメンバーの分担決め完了(メールにて)
    └Day1の社長ヒアリングに向けて質問事項を固めておくことができた
  • 全体の進め方まで先生が計画済みで、Day2からDay3までの1週間でほぼ素案完成のスケジュールだった
    個人タスクを終えた状態でDay3を迎えられたことで、集まる意味のある&余裕のある過ごし方ができた
    └うちの班はDay3もチーム作業から始まったが、他の班は集まって無言で個人作業している時間が長いように見えた
    └うちの班は時間通り終わり、他の班は残業(?)していた
  • 手戻りなく&指摘が的確
    └Day2のチーム議論はほぼメンバーのみの発言で自由に進めたが、要所要所で「これは言っておいた方がいいね」というアドバイスをいただき、Day2の時点でメンバーだけでは不足していた観点を補うことができた
    └Day2〜Day3までの1週間の間に第一稿をメールで提出し、それに対してアドバイスをいただくなど、手戻りなく効率よく進めることができた
  • 陽キャタイプ(?)
    └上記の情報だけだときっちりした固いタイプの人をイメージされるかもしれないので補足しておくと、ものすごく話しやすくて、誰とでも仲良くなれそうな雰囲気の方でした

メンバー:個人スキルが高く、実務補習経験もあり、協調性の高い方々でした(←私以外)

  • 私は実務補習初めてでDay1に向けての準備に疑問があったのですが、Day1の前にzoom会議を開催してもらえてかなり助かりました
  • Day2〜Day3の間もslackでやりとりしたり、オンラインMTGを一度開催したり、止まることなく進められた
  • 班長が前回使用した報告書フォーマットと表記揺れの統一ルールを提示してくださり、マージ作業が楽だった
  • 全パート、クオリティ高く仕上がっていてさすが診断士合格者の集まり
  • 私は自分の担当でない領域にもいろいろ口を出しすぎていたのですが、みなさん大人な対応で聞いてくれました;
  • 最後の社長提言の場もみなさんプレゼンが上手でとても勉強になった

診断先:守秘義務があるので詳細は差し控えますが、いい会社、いい社長の診断をさせていただきました。感謝。

反省点

共有ドライブとしてgoogleドライブを使ったのですが、意図せずフォーマットが崩れたりして、無駄な修正を生んでしまった。
途中からでもDropboxに変えるべきだったかもしれないけど、結局そのまま最後まで進めてもらってしまい…。これから実務補習参加される方はgoogleドライブではなくDropboxを使ってください

いろいろ感じたこと(意識高い)

アトキンソン信者

まず、私はアトキンソンさん信者です。

中小企業診断士・受験生のみなさんには必ず「日本企業の勝算」を読んでほしいのですが、勝手に要約しておきます。

ちなみに「日本企業の勝算」の次は「新L型経済 コロナ後の日本を立て直す」も読んでほしいです。

「日本企業の勝算」

以下、勝手な要約(本買って読んでください)

  • 日本の最重要課題は「生産性の向上」
    └有給取得、女性活躍などが進んでいないのも生産性が低いことの「結果」
     └生産性が低いと企業の対応力が下がり、女性が活躍しづらい社会になるなど
  • 日本の生産性の低さ=①小さい会社が多い×②小さい会社の生産性が低い
  • ①中小企業が多い理由
    └優遇されているから(優遇されていると成長しにくい=bunching)
    └1963年中小企業基本法から小さい会社が増え、人口増加時代は「雇用を生む」という役割があったが、人口減少している現代には不適
  • ②中小企業の生産性が低い理由
    └小ささ自体による(スケールメリット出せない、分業できない、ICT使いこなせない、輸出できない、など)
    └経営者の質が低い(経営能力がある人材には限りがある、経営能力がなくても「息子だから」継いだりしてる)
  • ちなみに日本の労働者は優秀
    └世界ランク4位
    └日本(労働者優秀)の外資系企業(経営の質良い)の経営評価点が世界1位
    └日本の経営者は優秀な労働者を安く雇って低い生産性を出している(世界ランク28位・先進国最低)
  • 提言:最低賃金を上げるべき、中小企業の定義を大きく、中小企業の合併促進策を、優遇の対象を絞り優遇には期限を
  • 下町ロケット好きな日本人に受け入れられない

ざっくりこんな感じでした。

下町ロケット好きな日本人に受け入れられない

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経営者の結果責任

これは本の要約ではなく私個人の推測なのですが、以下の理由から日本人には受け入れ難いのだと思っています。

  • そもそもそういう価値観で生きている(?)中小企業で働いている人は自分を否定された気持ちになる
  • 親孝行のつもりで跡を継いだ、継ぐ以外の選択肢を知らなかった

  • 経営の能力がなくても経営をしなくてはならず、やり方間違ってても「頑張って」はいる

  • 自宅などを抵当に入れている、経営能力が低い場合「大成功のメリットを享受」する可能性は低いがリスクは負っている

自分がやりたかったわけでもないけど良かれと思って跡を継いで、生活を人質に取られていて、やり方がわからないことを頑張っている…そんな状況から「中小企業の社長だって頑張っているんだから、酷いことを言うな」と言う気持ちになってしまうのではないでしょうか。

同じ小さい会社でも新進気鋭のベンチャーの社長とかは「社長だって頑張っているんだから、酷いことを言うな」みたいなことあまり言わないと思うんですよね。

世界は落下している

で、何が言いたいかと言うと、最低賃金上昇に反論したところで、中小企業の生産性向上はどうせやらなきゃいけないことで、

世界は落下している - sudoken Blog(←最近のマイブーム)

「色んな既得権益持った人たちが抵抗勢力になって邪魔するんだけど、それは重力に逆らうようなもので、あんまり意味ないんだよ だって世界が落っこちていくスピードの方が圧倒的に早いから」

既に後継者不在による廃業・M&Aが進んでいて中小企業の数は減少傾向にあり、

菅首相アトキンソン信者(?)で、

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菅首相はアトキンソン信者

最低賃金が上がろうが下がろうが(上がるけど)、優遇が縮小されようが拡大されようが(縮小されるけど)、中小企業を(淘汰ではなく)強化することをやる、そのことは変わらないなと思った次第です。

単発の提言でできること、継続介在ができないこと

話が戻りますが、実務補習で「単発の提言でどこまで役に立てるのだろうか」という感覚を強く感じました。優先順位はつけたものの、それでもかなり多くの施策を提言しました。ただでさえお忙しい社長が一人でやりきれるのか?その場で「どうやってやればいいかわからない、難しい」と言われた提言もありました。継続して介在しないと効果がないのでは?と強く感じました。

「日本企業の勝算」でも「Does Management Matter? Evidence from India」というインドの実験について、ざっくり

という結果を紹介しています。

また、実務補習の先生にこんな話もしていただきました。

先生「中小企業診断士の仕事いっぱいあるよ。市役所で経営相談受けたりとか」
 私「単発の相談ってどうですか?意味ありそうですか?」
先生「そりゃ1回相談したくらいじゃ何も変わらないけど… でも仕事はあるよ。
   企業が顧問料払って継続的にコンサル依頼できるにはだいたい10億円くらい
   の売上が必要」

ITサービスの役割

そんな、小さい会社への継続コンサルが難しい状況で、私はITサービスの功績を感じました。←私はITサービスの会社で働いているので、特にそう思っている

たとえば製造業のマッチングプラットフォームを運営する「キャディ」という会社があります。(私はキャディの回し者ではありません)

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キャディ

売上を大手1社に依存している、売上拡大したくても新規営業できる人員がいない、でも売上拡大が急務、という中小企業にキャディに登録してもらうことは、もちろん全て解決するわけではないけど改善が期待できる強い施策だと感じます。

他にも月数千円で活用できる安価なSaaSサービスが台頭してきており、それぞれの小さい課題に対して一発で改善がみられるソリューションだと感じました。

たとえばタイムカードを紙に印字したものを毎月何時間もかけて手作業でパソコンに入力し直しているという課題に対して、月300円/人で使える勤怠管理システム「Touch on Time」は解決策を提供しています。(私はTouch on Timeの回し者ではありません)

などなど。挙げればきりがない。

中小企業の生産性向上のために必要なこと

当たり前のことを言いますが中小企業の生産性向上のためにできること、やるべきことってたくさんあって

政治
└成長を促す仕組みを設計する
 └最低賃金を上げたり
 └診断士が継続介在できるようにしてほしい(願望)
 └…

ビジネス
M&A支援
└コンサル
└ITサービス提供
└…

たくさんの歯車で世界は落下しているんだなあと(←最近のマイブーム)

自分のWillCanMust

それとは別に、自分はいわゆる典型的な診断士活動に向いてないとも感じました。

一方で、twitterみてると勉強のやり方に苦戦してる私よりコミュ力ある人たちにたくさん会います。私は勉強も生産性が大切だと思っていて、何年で合格できるかは

  • 現在のレベル
  • 勉強の生産性
  • 何時間勉強できるか

の3つで決まります。

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勉強の生産性が低いまま勉強しても時間のムダ

それこそ「中小企業コンサルには不向き!?」な一流大卒にとっては簡単な試験(語弊)かもしれませんが、もっと診断士として活躍するべき人たちがムダな時間を費やすのは本当にもったいないなと勝手に思うので、少しでも勉強の生産性が上がる支援をしたいと勝手に思ってます。とりあえずブログ続ける。

自分の活動方針

そんな訳で今後の活動方針(今とそんな変わらない)

  • いま働いてるITサービスの会社でソリューションの民主化を進める
  • 中小企業診断士はとりあえず登録するけど支部には入らない
  • 勉強の生産性を上げる支援

長くなりました。二次試験も近いのに自分語り長文を掲載してすみません、ここまでお読みいただきありがとうございました;

明日からはもう少し意識低まると思います。今後とも仲良くしてください。よろしくお願いします。

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