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中小企業診断士受験支援ブログ

令和2年度再現答案<事例Ⅰ:73点>ふぞろい採点とふりかえり

はじめに

こんにちは、エミリーです。再現答案ラスト事例Ⅰをやっつけちゃいたいと思います。令和3年ではなく令和2年です。すみません。 ブログ全体の目次

問題はこちら

中小企業診断士試験 二次試験 令和2年度 2020年度 事例Ⅰ 事例1

https://www.j-smeca.jp/attach/test/shikenmondai/2ji2020/a2ji2020.pdf

第1問(設問1)

以下は、老舗蔵元A社を買収する段階で、企業グループを経営する地元の有力実業家であるA社長の祖父に関する設問である。各設問に答えよ。
(設問1)
A社の経営権を獲得する際に、A社長の祖父は、どのような経営ビジョンを描いていたと考えられるか。100字以内で答えよ。

再現答案

老舗のブランドと事業で①日本文化に憧れるインバウンド客を取り込み②規模の経済で経営の合理化、効率化を進め③地域活性化シナジー効果を図ると共に、④後継者A社長に経営実務をさせて育成するというビジョン。

ふりかえり

ふぞろい採点:15/20
ふぞろいでは「②規模の経済で経営の合理化、効率化を進め」の加点がなく、成長や拡大を言えると加点対象でした。「難易度★☆☆みんなができた」問題なのでもう少し得点したかったところですが、4つも列挙して多面的に言えているので、打率3/4でも15点得点できていて防衛成功ラインです。多面的に詰め込めるほど防衛確率が上がる。

ふりかえりとしては、ビジョンとして「合理化や効率化」は中途半端であり、その先の「成長や拡大」まで言うべきでした。「風が吹けば桶屋が儲かる」の最後まで言い切る。「ねずみにかじられる桶が増える」で止めない。

ふりかえり後答案

老舗のブランドと事業で①日本文化に憧れるインバウンド客を取り込み②規模の経済で経営の合理化、事業拡大を進め③地域活性化シナジー効果を図ると共に、④後継者A社長に経営実務をさせて育成するというビジョン。
ふぞろい採点:18/20

第1問(設問2)

A社長の祖父がA社の買収に当たって、前の経営者と経営顧問契約を結んだり、ベテラン従業員を引き受けたりした理由は何か。100字以内で答えよ。

再現答案

理由は円滑な事業継承を実現させるためである。酒造りの技術、ノウハウを持つベテラン蔵人、複雑な事務作業や取引先を掌握する事務員、会社を熟知する前経営者のリソースを活用し、強みの維持、組織活性化、志気向上を図った。

ふりかえり

ふぞろい採点:17/20
ふぞろいでは「士気向上」は「雇用責任を果たす」の加点要素となっており、私の答案では雇用責任には触れていないため加点しないこととします。たしかに第③段落にて、前社長が「雇用責任から廃業を逡巡していた」という与件があるため、拾えるとよかったです。
「雇用責任を果たす」「地域活性化」などの社長の思い(与件文)はぜひ汲み取るべきで、ただ、それで終わるとボランティアになってしまうのでその先の「士気向上」「売上向上」など会社にプラスが還ってくるところまで言えると良いと思います。

ふりかえり後答案

理由は円滑な事業継承を実現させるためである。酒造りの技術、ノウハウを持つベテラン蔵人、複雑な事務作業や取引先を掌握する事務員、会社を熟知する前経営者のリソースを活用し、強みと雇用の維持、志気向上を図った。
ふぞろい採点:20/20

第2問

A社では、情報システム化を進めた若い女性社員を評価し責任者とした。ベテラン事務員の仕事を引き継いだ女性社員は、どのような手順を踏んで情報システム化を進めたと考えられるか。100字以内で答えよ。

再現答案

まずはベテラン事務員から複雑な事務作業等を学び、受け継いだ知識や経験を整理し、業務フローを可視化した上で、システムを導入すべき箇所を判断し、関係者の了解を得て、情報システム化を進めた。生産性が向上した。

ふりかえり

ふぞろい採点:6/20
事例Ⅰは橋渡し漏れを反省していましたが、実はこの問題が一番失点していました。システム化なので事例ⅢでおなじみのDRINKを使うと良かったです。「DB化、一元管理、共有」(事例Ⅳの記述で事例Ⅰ〜Ⅲっぽいことを聞かれることもあります)

また、そのDB化の前処理として「標準化」が言えると良かったです。「受け継いだ知識や経験を整理し、業務フローを可視化した上で、」の字数がもったいなく、ここを一言でズバッと「標準化」と言うべきでした。

本番メモ(第2問)

本番メモには「データベース化」の文字がありもったいない気もしますが、他にも「業務フロー可視化、あるべき姿、課題」など色々書かれており、これらは本業の知識・プロセスを勝手に持ち出していることが敗因です。
(そういえば事例Ⅲの事故も本業で工程変更によるリードタイム短縮を知っていたからかも…。事例Ⅲ第2問

(特に事例Ⅱの施策問題などで)博識な方ほど日常で得た知識を使った素敵な答えを思いつきがちだと思うのですが、そこは封印して与件と一次知識(理論)だけで解答を作ることを心がけたいです。

ふりかえり後再現答案

ベテラン事務員から複雑な事務作業等を学び、手順を標準化した上で、取引先情報などは一元管理できるようデータベース化した。それらを他社員にも周知・教育し、全社での情報共有、部門間連携、生産性向上を図った。
ふぞろい採点:20/20

第3問

現在、A社長の右腕である執行役員は、従来のルートセールスに加えて直販方式を取り入れ売上伸長に貢献してきた。その時、部下の営業担当者に対して、どのような能力を伸ばすことを求めたか。100字以内で答えよ。

再現答案

従来のルートセールスと異なり、直販方式では顧客との関係性強化が重要となる。その為、①顧客のニーズをくみとり②ニーズに合う提案を行い③顧客満足度を高めリピートを促す長期的な関係性を構築する力の伸長を求めた。

ふりかえり

ふぞろい採点:13/20
事例Ⅰは70分で完璧に解き終わり残り10分は再現答案用に解答を写したり誤字がないかチェックしたりしていたのですが、試験終了合図の直後、与件文の「橋渡し」という文字が目に飛び込んできて頭が真っ白になりました;;「私ひとりだけ満点が80点のテストを受けてしまった…」→「それでも8割取れれば64点だ!」と切り替えて一旦脳内から抹殺することにしました。
何回も言いますが1つの事例につき事故2件まで許されるのと、400点中400点で合格する人は一人もいないので、途中で気付いてしまったミスは脳内から抹殺して過ごしてください><
また、余り時間も油断せず与件漏れがないか見直すと良いと思いました。終了直前に漏れが見つかるとそれはそれで辛いですが;

与件が漏れてしまった理由は、ふぞろいの使い方の記事にも記載しています。

ふぞろいの使い方(注意点)

与件文がないと解答が作れない問題の場合は必ず探すので大丈夫なのですが、中途半端に知識だけで解答できてしまう場合に与件漏れが起きやすいと思います。解答要素がある程度そろっても油断せず、与件漏れがないか徹底サーチする。

とはいえ、事故ってるにしては13点取れていてこちらも防衛成功しています。社内連携7点分以外の全ての要素13点分をきちんと言えていたため防衛できました。

ふりかえり後再現答案

①顧客のニーズをくみとり、ニーズに合う提案を行い、顧客満足度を高めリピートを促す長期的な関係性を構築する力と②顧客のニーズを杜氏や蔵元に伝え商品改良に役立てる橋渡し役・社内調整力の伸長を求めた。
ふぞろい採点:20/20

第4問

将来、祖父の立ち上げた企業グループの総帥となるA社長が、グループ全体の人事制度を確立していくためには、どのような点に留意すべきか。中小企業診断士として100字以内で助言せよ。

再現答案

伝統的な親族経営や年功序列型、経験ベースの人事管理を廃止し、①成果主義型の給与制度、評価基準の制定②グループ間の流動的な適正配置を行い、不公平感の低減、一体感醸成、モラール向上、組織活性化を図る。

ふりかえり

ふぞろい採点:20/20
「難易度★☆☆みんなができた」サービス問題だったと思います。与件からわかるA社の特徴(家族経営など)に「茶化」のお品書きから合いそうなものを片っ端から詰め込んでいきました。詰め込むだけ詰め込んでキーワード的には25点分が言えていました。事例Ⅰも事例Ⅱも施策系は多面的に言うのが良いと思います。

本番メモ

本番メモ

まとめ

ふぞろい採点の合計点は71点、実際の73点とは2点差でした。

ふりかえりまとめ

  • 多面的に詰め込めるほど防衛確率が上がる。
  • ビジョンとして「合理化や効率化」は中途半端であり、その先の「成長や拡大」まで言う。「桶屋が儲かる」まで言い切る。「ねずみにかじられる桶が増える」で止めない。
  • 「雇用責任を果たす」「地域活性化」などの社長の思い(与件文)はぜひ汲み取る。ただ、それで終わるとボランティアになってしまうのでその先の「士気向上」「売上向上」など会社にプラスが還ってくるところまで言う。
  • 事例Ⅲでなくてもシステム化→DRINKを柔軟に活用できるとよい。事例Ⅳの記述で事例Ⅰ〜Ⅲっぽいことを聞かれることもある。
  • 本業の知識・プロセスを勝手に持ち出さない。日常で得た知識を使った素敵な答えを作らない。日常知識は封印して与件と一次知識(理論)だけで解答を作る。
  • 試験終了後にミスに気付いても脳内から抹殺して過ごす。事例1つにつき事故2件まで許されるしどうせ400点中400点は取れない。
  • 解答要素がある程度そろっても油断せず、与件漏れがないか徹底サーチする
  • 余り時間も油断せず与件漏れがないか見直す
  • 事例Ⅰ施策は与件からわかるA社の特徴(家族経営など)に「茶化」のお品書きから合いそうなものを片っ端から詰め込んでいく
  • 事例Ⅰも事例Ⅱも施策系は多面的に言う

おわりに

2年越し、再現答案ふりかえりが終わりました、ここまでお読みいただきありがとうございました!

上記のようなミスを蓄積しておいて、試験直前にファイナルペーパーと一緒に目を通してから本番を向かえることをおすすめします。

事例Ⅰ〜Ⅳの蓄積ミス一覧はこちら

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