怪傑えみりーちゃんねる

中小企業診断士受験支援ブログ

試験勉強にも生きるのにも必要なアサーションスキル

こんにちは、エミリーです。 ブログ全体の目次

はじめに

今日は「アサーション」「アサーティブ」なコミュニケーションについての記事を書きます。

タイトルに【番外編】を付けるかどうか迷いましたが、「アサーティブではない人が多年度になりやすい」可能性を想定して、番外編ではなく本編とすることにしました。

というのも、受験支援の仕事を始めてから「とびきりコミュニケーションをこじらせている人」と出会うことが増えたのです。(※増えたと言っても全体の総数に対してはレアケースです。念のため。)

私は「多年度生はアサーティブではない」と言いたいのではありません。多年度の方でも「試験勉強の経験値こそ少ないもののアサーティブな人」は正しい勉強方法の習得がスムーズで成長が速い印象です。

試験の直接的なテクニックではないかもしれませんが、きっと試験勉強と生きるのに役立つ概念なので、ぜひ読んでください。

私はアサーションのプロではなく、私にも私の課題があるので、一緒に学んでいきましょう!(やる気まんまん)

アサーション/アサーティブとは?

そもそもアサーション/アサーティブってなんやねん?という話をまずします。

アサーション」を直接表す日本語がないので「アサーション」と呼ばれています。「相手を尊重しながら自分の意見を主張するコミュニケーション方法」のことです。

アサーションの概念ではコミュニケーションのタイプは3〜4種類に分けられ、この3タイプの表を見るのがわかりやすいと思います。

つまり、「自分の主張を言わない」とか「相手の主張を聞かない」とかではなく、「自分の主張も言うし、相手の主張も聞く」状態がアサーティブな状態です。

※古典的にはこの3タイプなのですが、近年は4つめのタイプが追加される場合もあります。
④作為的タイプ:自分の主張を直接言わず、陰口や態度で伝えようとする
自分の主張を「言う」か「言わない」かで分類しきれないパターンということですね。

日本的な考え方

日本ではどちらかというと「②攻撃的自己表現は良くないので、①非主張的自己表現が良い」のような雰囲気がないでしょうか?

アサーションの概念では、①非主張的タイプと②攻撃的タイプには優劣のようなものはなく、同様に良くないというか。アサーティブではないという考え方をします。

①非主張的自己表現がよくない理由

  • 「自分さえ我慢すれば良い」というロジックの場合、自分を大切にしないという理由でよくないです。自分も相手も両方大切にします。Win-LoseではなくWin-Winを目指します。
  • ②攻撃的タイプと同様に、①非主張的タイプも「自己中心的」と位置付けられています。
    表面的には相手中心のように見えますが、その裏には、嫌われたくない、傷つきたくない、という自己中心的な心理が働いています。態度としては相手に合わせているように見えますが、見つめているのは自分なのです。
    引用元:アサーティブ ジャパン
  • 後述もしますが「自己責任」でいるためにはアサーティブさが必要となります。①非主張的タイプはその責務を放棄しているので、他責思考や察してちゃんとなってしまいます。
  • また、①非主張的タイプと②攻撃的タイプは「自分だろうと相手だろうと尊重する」という前提が欠如している共通点があります。①非主張的タイプに「人間関係リセット癖」が加わると、ある瞬間から一気に②攻撃的タイプにも転じるので、両者は表裏一体というか、紙一重の性質もあります。

いかがでしょうか?私は「相手の主張を聞かないことだけでなく、自分の主張を言わないことも同様に悪い」という考え方が目から鱗でした。

アサーション」を直接表す日本語がないことからも、日本でただ暮らしていても身につきにくい、わざわざ学ぶことで習得できる概念だと感じます。

今日覚えて帰ってほしいこと

①非主張的タイプ、自己主張しない、言わないで我慢する、自分を大切にしないとかって、別に良いことじゃない。むしろ悪い。

※もちろん②攻撃的タイプも良くない。

アサーションを実践するには

  1. まず知る
    「自分の主張を言わない」とか「相手の主張を聞かない」とかではなく、「自分の主張も言うし、相手の主張も聞く」状態が理想であることをまず認識します。
  2. 4原則「誠実」「率直」「対等」「自己責任」
    コミュニケーションではこの4つを心がけます。「自分の主張を言わない」もしくは「相手の主張を聞かない」ことは、この4つのどれか(または全て)を放棄することになります。
  3. テクニック「DESC法」

    アサーティブ・コミュニケーションとは?

筆考の亜種で妄想を止める

①非主張的タイプも②攻撃的タイプも、勝手な推測・妄想で怒りや悲しみを自己生成し、増幅させる傾向があります。

(よくある例)AということはBということに違いない。Bだなんて許せない。
       →そもそもAが勘違い。AですらないのでBでもない。

個人的には「脳内であれこれ暗考せず筆考しましょう」と似ているかなと思ったのですが、「あれこれ妄想せずどれが事実なのか整理しましょう」ということを認識すると良いと思います。

事実が認識できると、DESC法「Dこのような事実があり、E私はこう思ったので、Sこうしてほしいのですが、C可能でしょうか?」というようなアサーティブなコミュニケーションを取ることができます。

①非主張をやめるヒント

①非主張的タイプの人が「自分の主張を言わない」状況を抜け出すヒント。

  1. コーチング、セルフコーチン
    自分に向き合い、自己主張ができない背景を認識します。
    ①非主張的タイプが強い方は「たとえ納得いかないことでも絶対に言い返してはいけない」という価値観を強固に採用しています。少しくらいはみんなあるかもしれませんが、「えっ、それを言っちゃいけない訳なくないですか?むしろ言ってくださいってお願いしてますよね?」というレベルの事象を、何度説明しても届かないほどの強固な価値観だったりします。「対等」という原則が欠如していますね。そうなってしまった背景に向き合い、(育成期の親や教師の影響の可能性があります)その価値観を手放すことなどで、自分を尊重し、アサーティブになれる前提の形成に向かっていきます。
  2. 当事者意識を持つ
    繰り返しになりますが、「自己責任」を果たすには自己主張が不可欠です。自己主張の放棄は、自己責任の放棄につながり、自分の人生を自分がコントロールしている感覚も薄れていきます。こうなってくると、結果が悪かった時も「(何も言い返さないで)言われた通りにしたのに…」と他責にする土壌が形成されます。
    PDCAを回すために「腹落ちできてないけどとりあえずやってみよう(→その後やってみた結果をふりかえる)」は推奨しますが、納得しないまま飲み込んで続けることは、自分を尊重することや自己責任を放棄してしまっています。
    試験勉強の文脈でいうと、納得しない=思考停止なので、そもそも誤った解釈をしている可能性も上がりますし、さらに(思考停止しているので)誤った解釈のことを疑問を持たずやり続けてしまうリスクも高いです。
    野網先生の「信者化」の動画も参考になると思います。

    本ブログの前回記事でお伝えした『「自分が自分の点数を上げる」という当事者意識が「ある」人しか合格できません』という話とも同じですね。

    超貴重データ「合格者ムーブ」 - 怪傑えみりーちゃんねる

②攻撃をやめるヒント

②攻撃的タイプの人が「相手の主張を聞かない」状況を抜け出すヒントも2つ紹介します。

  1. コーチング、セルフコーチン
    ①と同じく、自分に向き合い、攻撃的自己主張をしてしまう背景を認識します。
    例えばその奥には「不安」「誰かに認めてほしい」という気持ちがあるとします。その場合、他者に「あなたは正しい」と言ってほしくて、その目的を果たすために相手の話を無視して自分が正しいという主張を一方的に伝えてしまいます。本人は「自分だけがわかっていて自分以外はわかってないからわからせなきゃ」と思っているのですが、実際は自分の正当性を認めさせて「あなたは正しい」と言ってもらって不安を解消することが目的なので、一方的なコミュニケーションとなってしまいます。その潜在的な意識・目的に本人が気付けると、双方向のコミュニケーションができるようになってきます。
  2. 反証
    「話が通じない相手と話をする方法」という興味深いタイトルの書籍があります。その方法を「相手」ではなく「自分」に適用してみるのです。

    各種紹介されているのですが、その中でも「反証」がおすすめです。
    「どんな条件が満たされれば、自分の考えが違うと認めるか?」という仮定の条件を考えてみるのです。もし「そんなものはない」と条件が思い浮かばない場合は、その人は自分の考えを絶対不変の真理だとみなしている、つまりその考えは根拠ない思い込みということになります。

おまけ(感想)

アサーションの3タイプは、ギブアンドテイクのタイプと近似しているように思いました。

ギバーにはトップギバー(戦略的ギバー)とボトムギバー(自己犠牲タイプ)の2種類が存在し、成功する順番は「トップギバー>テイカー>ボトムギバー」である。

トップギバーはWin-Winの関係を重視するという点も、③アサーティブなタイプと共通していると思います。

まとめ

  • 今日覚えて帰ってほしいこと
    ①非主張的タイプ、自己主張しない、言わないで我慢する、自分を大切にしないとかって、別に良いことじゃない。むしろ悪い。
    ※もちろん②攻撃的タイプも良くない。
  • 4原則「誠実」「率直」「対等」「自己責任」
  • テクニック「DESC法」
    (例)Dこのような事実があり、E私はこう思ったので、Sこうしてほしいのですが、C可能でしょうか?

試験の直接的なテクニックではないかもしれませんが、きっと試験勉強と生きるのに役立つ概念だと思います。

私はアサーションのプロではなく、私にも私の課題があるので、一緒に学んでいきましょう!

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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