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中小企業診断士受験支援ブログ

番外編:論理的思考力

こんにちは、エミリーです。

ブログの更新が滞っておりすみません。今後も続ける気持ちはあります。よろしくお願いします。

今回は久しぶりの更新なのでリハビリも兼ねて(?)番外編ということで最初の構想にはなかった話をします。ブログを始めてそのリアクションなどから思うこともあり、どこかで言いたいとも思っていたので、その辺アウトプットしてみます。

ブログ全体の目次

はじめに

タイトルの通りこの記事のテーマは「論理的思考力」です。私も未熟なのに偉そうなこと言ってすみませんが自分なりに思ったことを書きます。エッセイ風(?)です。

目次

「ふぞろい」でこじれるのは何故か

ブログのリアクションで興味深かったのはやはり「ふぞろい」に対する複雑な心情の数々です。二次試験にとってふぞろいの存在は「必要条件であり、十分条件ではない」のですが、そういうのって議論で悪用されやすいですよね。

  • 必要条件だから必要だ ←私の意見
  • 十分条件ではないからクソだ ←アンチふぞろいの意見

そしてさらにポジショントークやら嫉妬やら色々な要素が散りばめられて「ふぞろいを信じるか信じないか」「似顔絵と自慢が気に入らん(?)」みたいな論点が生じるのでしょうか?(知らん)

ふぞろいの重要性についてはこちら

二次試験は答えがないとは言うけれど

「ふぞろいを信じるか信じないか」を迷わせる要因として、とりあえず

  • 二次試験には答えがない

という事実があります。とはいえ、答えがないとは言っても、どんなこと書けば合格できるかはふぞろいを見ればわかります。たしかに一次試験のように「第1問はア、第2問はエ」のような完全一致の答えではないです。「ここではAを答えてもBを答えてもよい」というようなバリエーションもあります。ですが

  1. ふぞろいで挙げられているような要素を自力で導き出せるようになって
  2. 論理的な文章で解答すれば良い

だけです。なので

  1. 必要条件であり
  2. 十分条件ではない

訳です。

ふぞろいの使い方についてはこちら

アンチふぞろいマーケティングが生まれる理由

必要条件であるにも関わらずアンチふぞろいマーケティングが行われるのはなぜでしょうか。説明するまでもないですが、そのマーケティングにより共感が得られるからです。ターゲットを「論理的思考力の乏しい多年度生」に置き、嫉妬心と他責思考を煽って囲い込みたいのだと思います。ふぞろいは必要条件であるにも関わらず「十分条件ではないから排除せよ」と論理が破綻したメッセージを繰り返し伝えているのは、「この論理破綻に気づけないほど論理的思考力が欠如している人」をターゲットとしているのだと思います。

思い出される記事

似たようなマーケティングポジショントークの例は世の中に無数に存在しますが、中小企業関連で一つあったので紹介します。

追記:Yahoo!ニュースのリンク切れて会員登録しないと読めなくなった;

前半は政策に対する批判なので政策についての知識がなければもしかしたらスルーしてしまうかもしれません。(余談ですが「日本企業の勝算」は全ての中小企業診断士、受験生に読んでほしいです)

ですが、後半は知識がなくても明らかに支離滅裂なことがわかると思います。

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突っ込みどころ満載

なぜこんな支離滅裂な主張を世の中に発表するのか?それはこの話者が「論理的思考力に乏しく経営がうまくいっていない中小企業経営者」をターゲットにしたビジネスをしているからではないでしょうか。経営に困っている中小企業経営者を対象に

  • 国が悪い
  • 中小企業は偉い
  • 大企業はクソだ(?)

というメッセージを伝えることで、共感を得て、顧客になってもらいたいのだと思います。

情弱マーケティングの共通点

両者には

  • 「うまくいっていない人」をターゲットにしている

という共通点があります。「うまくいっていない人」は論理的思考力に乏しい可能性が高く、「支離滅裂でも良いから他責思考や嫉妬心を煽る」手法の効果が高いのだと思われます。

論理的思考力

結局、ある程度の論理的思考力は必要なのではないでしょうか。ニュータイプの時代にこんなこと言っても時代遅れ感があるかもしれませんが、論理的思考力もふぞろいと同様に「必要条件であり、十分条件ではない」だけです。

一応説明しておくと、山口周さんという方が

ニュータイプの時代

ニュータイプの時代

 

などの本を出版されており「これからの時代、論理的思考力だけでは生きていけないよ」ということを教えてくれています。山口さんのご経歴と著書内容から察するに、ボスコンでロジカルシンキングの頂点を極めし者みたいな人たちがロジックのみが全てであるみたいな顔してイキってるのを見て「いやいやいやいや」ってなってるんだと思います。知らんけど。

論理的思考力を鍛える

論理的思考力を鍛える方法として、とりあえず本を紹介します。

教科書

この辺はもう適宜読んでください。おすすめはグロービズのクリティカルシンキングの演習問題を誰か見つけてディスカッションすることです。

ロジカル・シンキング Best solution

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入門 考える技術・書く技術

入門 考える技術・書く技術

 

 

論理トレーニング101題

ゾウさんおすすめのこの本良かったです。

論理トレーニング101題

論理トレーニング101題

  • 作者:野矢 茂樹
  • 発売日: 2001/05/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

冒頭を引用します。

問1 次の文章のおかしな点を指摘せよ。
「清潔はビョーキだ」の著書がある東京医科歯科大の藤田紘一郎教授(寄生虫学)も、座り派の増加について「清潔志向が行きすぎてアンバランスになってしまっている」と指摘する。「出たばかりの小便は雑菌もほとんどいない。その意味では水と同じぐらいきれいだ。なんで小便を毛嫌いするのか。ばい菌やにおいを退けすぎて、逆に生物としての人間本来の力を失いかけている一つの表れでないといいのですが」(朝日新聞、2000年3月26日付朝刊)
(中略)
まず、「清潔志向が行きすぎてアンバランスになってしまっている」と、「清潔志向の行きすぎ」を指摘する。そうだとすれば、「多少不潔でも気にすべきじゃない」と議論が展開すべきである。ところが、「小便は汚くない」と続けてしまう。方向がばらばらである。
(中略)
もう一点。「出たばかりの小便は雑菌もほとんどいない」と書いてある。この主張は、便器に付着して放置された、「出たばかり」でない小便が汚いのか汚くないのかについては何も述べていない。
(中略)
まだある。「立ってすると小便が便器について汚い」という意見に対する反論として「小便には雑菌もなくきれいだ」と主張することは、「汚い」の意味がもとの主張と少しずれてしまっている。便器が汚れているというのは雑菌のことだけでなく、見た目の汚れのこともおおいに含んでいる。たとえば「ズボンがコーヒーの染みで汚れた」と言う人に対して、「コーヒーには雑菌もいない。きれいなもんだ」と反論しても的はずれでしかない。

これだけで面白くないですか?(伝われ)ぜひ買って読んでみてください。

(ちなみにアンチコメント読んだ時もこれ思い出した)

 

細谷功さんの本(具体⇄抽象)

抽象化が得意でない方にはこちらもおすすめです。

具体と抽象

具体と抽象

 

2冊とも内容はほぼ同じで、前者の方がより初心者向けに書かれていて、後者にはトレーニング用の問題が付いています。どちらでもいいと思います。

 

A vs B 論争

  • サイエンス vs アート
  • 抽象化 vs 具体化
  • 論理 vs 感覚
  • IQ vs EQ

こういう系のやつもどれも両方あるに越したことなくて、「必要条件であり十分条件ではない」のだと思うのですが、これらがまるで二者択一であり、片方だけが偉いというような扱いをされることがよくあります。たぶん、

  • 効果がわかりやすく説明しやすい前者(サイエンス、抽象化、論理、IQ)が過度にもてはやされる
  • その結果、後者(アート、具体化、感情、EQ)も大事であることをわざわざ訴えなくてはならなくなる
  • 後者の必要性を訴求する過程で、また同じく過度にもてはやされる
  • その結果、前者も…

というループになっている気がします。
それぞれ得意ジャンルが異なり、相互に作用するものであり、どちらが偉いというものではないはずです。

中小企業診断士の「論理」と「感覚」の比重

ちなみに「両方大切ならばこの記事のテーマが論理的思考力だけなのはなぜか」というと(私がIQ>EQ人間なのもあるけど)試験は論理の比重が大きいからです。合格後の診断士活動ではおそらく感覚的なものが求められる比重が跳ね上がると思います。「試験ではなく実践だから」という理由の他に、大企業へのコンサルよりも中小企業へのコンサルの方が感覚の比重が大きいというのもありそう。

サイコパスの思考

ついでに、ふぞろいの似顔絵と自慢が気に入らない(?)問題にも触れておきます。

ふわっとした記憶ですみませんがこんな感じの心理テストがありました。

ここに100万円があって、あなたとAさんで分けてもらいます。ただし分け方にルールがあって、

  1. まずあなたは「2人とももらえない」か「Aさんが比率を決めて山分けする」かのどちらかしか選ぶことができなくて
  2. 「Aさんが比率を決めて山分けする」を選んだ場合は、Aさんがその金額を決める

というルールです。あなたはいくら以上もらえたら満足しますか?

普通に考えて50万円ずつ分けるのが人間関係がこじれない金額だと思うのですが、サイコパスは「1円以上」もらえれば満足するらしいです。それは「0円 vs 1円」の比較で「得をした」と考えるからだそうです。感情を失うとここまでロジカルになれるんですね。

で、何が言いたいかと言うと、じゃあふぞろいの似顔絵が気に入らないとして、だからって自分にとって有益な情報を放棄して良いのか?他に代替品があるのか?(ない)自分が得をするのはどちらなのか?
それでもふぞろいが憎くて手に取るのも嫌なのだという人は、まあそういう生き方もあると思います(?)

まとめ

エッセイ風なのに無理矢理まとめると、世の中には

  • 必要条件であり十分条件ではないもの
  • 論理的思考力の乏しい人をターゲットにしたマーケティング
  • 二項対立で優劣を付けたがる雰囲気

があるよね、って話をしました。アンチ「アンチふぞろい」とか言って二項対立に加担したのは私です

試験合格には論理的思考力が必要なので(診断士活動でももちろんいるだろうし)とりあえず本とか読んでみるのはどうでしょうか。

おわりに

本当に、自分だって未熟なのに偉そうなこと言ってすみません。たまにはこういうのも面白いかなって(つまらなかったらごめんなさいw)私自身はこういうことをネチネチ考えるの楽しいです。

ツイート置き場

 引用させてもらったゾウさんにおぬぬめしてもらいましたw

apさん好きなとこ抜粋ありがとうございます^^

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ここまで読んでいただきありがとうございました。

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