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中小企業診断士受験支援ブログ

令和2年度再現答案<事例Ⅱ:86点>ふぞろい採点してみた

はじめに

こんにちは、エミリーです。とある事情により取り急ぎ自分の事例Ⅱをふりかえる必要が出てきたので再現答案をまとめます。
とある事情=月刊企業診断のインタビューでした。

今回はふぞろい14発売を記念し、ふぞろい採点&ふりかえりを行ってこの記事をリライトしたいと思います。

ブログ全体の目次

目次

問題はこちら

中小企業診断士試験 二次試験 令和2年度 2020年度 事例Ⅱ 事例2

https://www.j-smeca.jp/attach/test/shikenmondai/2ji2020/b2ji2020.pdf

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試験中に線を引いたところ

第1問

第1問(配点20点)
現在のB社の状況について、SWOT分析をせよ。各要素について、①~④の解答欄にそれぞれ40字以内で説明すること。

再現答案

  • 強み:効能を有するハーブを無農薬で効率よく栽培できる技術、X島の豊かな自然、Z社取引実績。
  • 弱み:YハーブやX島の知名度の低さ、Z社依存の経営、X島の人手不足や高齢化による活力低下。
  • 機会:消費者の健康志向でヘルスケア市場が拡大基調であり、複数社から取引き要望がある。
  • 脅威:Z社との取引量が減少しており、取引中止の可能性がある。ヘルスケア市場競争激化。

ふりかえり(ふぞろい前)

予備校の模範解答たちはどれもX島をB社の外部環境としていました。私も初め外部環境としてリストアップしましたが、真の(?)外部環境であるZ社やヘルスケア市場に比べるとX島って全然身内だなと思って、内部環境にしました。でも高齢化とかB社ではどうにもできないことだし、やっぱり外部環境ですよね…いきなりミスっていたのかも…。

ふりかえり(ふぞろい後)

ふぞろい採点:18/20(強み:4/5、弱み:5/5、機会:5/5、脅威:4/5)

やはり外部環境であるX島を内部環境としてしまったミスで減点が生じています。ただ、全体で9割取れているのでミスの割にはそんなに悪くないなと思いました。意外に得点できている理由としては、キーワード詰め込み力が発揮されてるからですかね。体言止めでたくさん言う。例えば弱みは「YハーブやX島の知名度の低さ、Z社依存の経営、」の23字だけですでにMAXの点数を獲得できています。(上限40字)

教訓としては、内部環境と外部環境を分けるときは「関係が近い」「身内っぽい」みたいに雰囲気で分けずに

の原則に立ち返ってデジタルに判断する、ということが大切でした。

X島をちゃんと外部環境に含めて改善するならこんな感じでしょうか。

  • 強み:効能を有するハーブを無農薬で効率よく栽培できる技術、Z社取引実績、自社粉末工場
  • 脅威:Z社との取引量減少や取引中止可能性、ヘルスケア市場競争激化、X島活力低下。

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当日メモ(赤枠が追記パート)

第2問

第2問(配点30点)
Z社との取引縮小を受け、B社はハーブYの乾燥粉末の新たな取引先企業を探している。今後はZ社の製品とは異なるターゲット層を獲得したいと考えているが、B社の今後の望ましい取引先構成についての方向性を、100字以内で助言せよ。

再現答案

Z社製品ターゲットの30~40代女性と異なる50代以降の女性や男性を獲得すべく、健康・長寿の効能を活かし、高齢者層に強い取引先を開拓する。今後の取引先構成は、一社依存を脱却し、複数社によるリスク分散を図る。

ふりかえり(ふぞろい前)

答案に書いた通り、30~40代女性と異なるターゲットどうしようかな〜って考えるときに、使える要素が健康・長寿の効能しかなかったので50代以降の男女ってことにしました。

ふりかえり(ふぞろい後)

ふぞろい採点:24/30

この設問は事例Ⅱで最も失点していました。(といっても8割取れてるので本番でこのくらい書ければ上出来だとは思ってます)

あえて改善点を挙げるなら、以下2点が考えられます。

①割合だけでなく量についても述べる

「取引先構成についての方向性を」と聞かれていることもあり、シェアの話に終始しています。最低限は解答できているものの、そもそも「取引縮小」という量の課題が前提であるため、「売上向上」も言えるとよかったです。

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イメージ

教訓としては、割合について述べるときは「量には触れなくて良いか?」を確認するとよさそう、とか…?端的に「売上向上って言い忘れてないか確認する」だけでも良いかも。

②ターゲットはデモジオサイコ全部洗い出してみる

ターゲット層がデモジオサイコのうちデモについてしか述べられておらず、字数がもったいなかったかもしれません。

セグメントの切り口

  • デモグラフィック(人口動態)変数:年齢・性別など
  • ジオグラフィック(地理的)変数:国や地域など
  • サイコグラフィック(心理的)変数:興味・関心など

今回の事例では

  • デモ:高齢者・男女
  • ジオ:大都市圏※
  • サイコ:健康志向

などの情報が言えそうでした。

過去問でも「高級志向の」とかよく出てたので「○○志向の」って言えると少ない字数でサイコ情報が詰め込めてよさそう。

※ジオ情報については、ハーブティーが20〜50代大都市圏在住女性層に人気なだけで、高齢者と掛け合わせる意味は見出せないため除外します。

そんな訳で改善するとこんな感じでしょうか。

健康・長寿の効能を活かし、Z社ターゲットと異なる50代以降の健康志向の男女を獲得すべく、高齢者層に強い取引先を開拓する。今後の取引先構成は、一社依存を脱却し、複数社によるリスク分散、売上向上を図る。

第3問(設問1)

第3問(配点30点)
B社社長は最近、「眠る前に飲むハーブティー」の自社オンラインサイトでの販売を手がけたところ、ある程度満足のいく売上げがあった。

(設問1)
上記の事象について、アンゾフの「製品・市場マトリックス」の考え方を使って50字以内で説明せよ。

再現答案

既存のZ社Yハーブ製品ではなく、OEMと自社サイトで新製品開発、新市場開拓を行い、事業の多角化に成功した。

ふりかえり(ふぞろい前)

もし設問に「アンゾフの考え方を使って」としか書かれてなかったら、厳しかったと思います。「製品・市場マトリックス」って書いてくれてたので、「ああこれね」というのが思い出せました。

ふりかえり(ふぞろい後)

ふぞろい採点:9/10

これも十分書けてますが、あえて改善点を挙げるなら(何回言うねん)「OEM」ではなく「自社ブランド」もしくは「ハーブティー」と言えると良かったかもです。というのも

  • OEM」だけだと「B社が他社ブランドをOEMとして生産する」という意味にもなってしまう
  • 意味的にも「生産を委託していること」ではなく「自社ブランドであること」が重要なので

ではなぜ本番で「OEM」と書いたのかでいうと、字数が厳しかったからです。

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当日メモ(赤枠を書きたかった)

上記赤枠を文字に落とし込んだときに「ハーブティー」6文字が入らず、「OEMなら入る!」となった感じですね。あとは

  • OEMと自社サイト」と言っているので「B社が他社ブランドをOEMとして生産する」とは受け取られないだろうという考え(甘え)
  • 「Z社(に製品づくりも依存していたがその)製品ではなく、OEM(を活用することで粉末加工工場しか持ってないB社でも自社製品開発できたのでそれがつまり)新製品開発」というニュアンスを表現しているつもりだった(論理の省略)
  • 今思うと、OEM先の会社と協力して製品開発するようなイメージも抱いていた気がする(が、OEMはあくまでも「生産」だけ委託することなので「OEMで開発」という表現は微妙…つまり勘違い)

などといった要因もありそうです。

ちなみにOEMとODMの違いはこちら

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OEM(オーイーエム)とは?意味やメリット・デメリット、活用事例を紹介|ferret

というわけで、「OEM」であることよりも「自社ブランド」もしくは「ハーブティー」を言えると良かったのですが、じゃあ代わりに何を削るかで言うと結局削れないんですよね…

再現答案(再掲)

既存のZ社Yハーブ製品ではなく、OEMと自社サイトで新製品開発、新市場開拓を行い、事業の多角化に成功した。(52字/1行目も2行目も句読点終わりのため2字超え許容)

言いたいこと

既存のZ社Yハーブ製品ではなく、自社ブランドの新製品開発と自社サイトによる新市場開拓で事業の多角化に成功した。(55字)

ふぞろい的には前半の「既存のZ社Yハーブ製品ではなく、」は不要だったみたいですが、私の中では赤枠が言いたいことでそのためには削れなかった部分なので、これはもう仕方ないですね…本番の答案を自分のベスト答案とします。

ここでの教訓はOEMとODMの違いですw

第3問(設問2)

B社社長は自社オンラインサイトでの販売を今後も継続していくつもりであるが、顧客を製品づくりに巻き込みたいと考えている。顧客の関与を高めるため、B社は今後、自社オンラインサイト上でどのようなコミュニケーション施策を行っていくべきか。100字以内で助言せよ。

再現答案

B社製品購入者を対象に、双方向のコミュニケーションを行う。掲示板やアンケートで要望や感想を収集し、顧客ニーズを反映した製品づくりを行い、顧客満足度向上、愛顧向上、関係性強化、固定客化、売上向上を図る。

ふりかえり(ふぞろい前)

メモの時点では「SNS」「投稿促し」というワードもありましたが、設問に「継続」「顧客の関与を高める」「自社オンラインサイト上で」というヒントがあったので、解答要素を絞り込んでいきました。

ふりかえり(ふぞろい後)

ふぞろい採点:19/20

良く書けてます。あえて改善点を(略)

「自社オンラインサイト上で」のコミュニケーションを問われて「双方向のコミュニケーション」と言っておきながら、B社→顧客方向の内容が「顧客ニーズを反映した製品づくり」しか書けていません。「オンラインサイト上でハーブのレシピを紹介する」などが書けるとよかったです。

あ、ちなみにふぞろいの使い方としてがんばって19点を20点にするのは意味ないと思ってます。ふぞろいの使い方

というわけでこちらも本番の答案をマイベストアンサーとします。

教訓ではないですが「顧客満足度向上、愛顧向上、関係性強化、固定客化、売上向上を図る。」は私の中では定型文です。詳しくはこちらの⑤をご覧ください→有益な情報リスト<二次試験対策>

第4問

第4問(配点20点)
B社社長は、自社オンラインサイトのユーザーに対して、X島宿泊訪問ツアーを企画することにした。社長は、ツアー参加者には訪問を機にB社とX島のファンになってほしいと願っている。
絶景スポットや星空観賞などの観光以外で、どのようなプログラムを立案すべきか。100字以内で助言せよ。

再現答案

大都市圏在住の女性層を対象に、B社製品とX島を楽しめるプログラムを立案する。①耕作放棄地を活用した農業体験②地元民のハーブ料理試食会③アロマオイルによるエステ④釣り体験等で、愛顧向上、地域活性化を図る。

ふりかえり(ふぞろい前)

「④釣り体験」ってマジでいらないですよね。都会の女が離島で釣りとかさせられて喜ぶと思うか…?そもそも①〜③はちゃんとB社とX島のコラボ企画になっているのに、釣りはハーブ関係ないし、「絶景スポットや星空観賞などの観光以外で」ってわざわざヒント出してくれてるのに、絶景スポットと星空観賞じゃなかったら何書いても良いと思ったのか…?すみませんでした。

ふりかえり(ふぞろい後)

ふぞろい採点:19/20

「釣り体験」一応ふぞろいキーワードに挙がってましたが

  • 書いてる人数少ない&配点低い
  • プログラムの内容については①②だけでMAX得点できてるので

やはり「④釣り体験」は不要でしたね。なんなら「③アロマオイルによるエステ」も不要でしたw アロマオイルは与件文に書いてあったが、活力の低下した島の誰がエステするねんって話でしたね…。施策を立案する設問では与件文に書かれている強みとリソースを活用する。

③④がなければ私の好きな定型文「顧客満足度向上、愛顧向上、関係性強化、固定客化、売上向上を図る。」をもっと盛り込むことができて満点解答になっていました。(19/20取れていれば十分です)

あえて改善するならばこうなります。

大都市圏在住の女性層を対象に、B社製品とX島を楽しめるプログラムを立案する。①耕作放棄地を活用した農業体験②地元民のハーブ料理試食会等で、地域活性化、愛顧向上、関係性強化、固定客化、売上向上を図る。

当日のメモ

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当日のメモ全体

まとめ

こうすればよかったという反省点はあるものの、「事故」と呼ぶくらいの大きなミスはなく、よくできたと思います。(事例Ⅰでは1件、事例Ⅲでは2件も事故っている…)

ちなみにふぞろい採点の合計点は89点でした。実際の86点とは3点差。

ふりかえりのまとめ

  • SWOT体言止めでたくさん言う
  • 内部環境/外部環境=コントロールできるもの/できないもの
  • 割合だけでなく量についても述べる、売上向上って言い忘れてないか確認する
  • ターゲットはデモジオサイコ全部洗い出してみる
  • 「○○志向の」って言えると少ない字数でサイコ情報が詰め込めてよさそう
  • OEMとODMの違い
  • 「双方向のコミュニケーション」B社→顧客「情報提供」など
  • 定型文「顧客満足度向上、愛顧向上、関係性強化、固定客化、売上向上を図る。」
  • 施策を立案する設問では与件文に書かれている強みとリソースを活用する

あと、もし過去問解いた後これくらい深掘りしてない人がいたら、するようにしてください。やり方→試験勉強とは「できなかった理由の深掘りと対策立案」である

おわりに

伝説の令和元年度事例Ⅰ96点答案には遠く及びませんが、参考になると思うので(自分で言う)ご活用くださいませ。

二次試験をどうやって解くかは有益な情報リスト<二次試験対策>の①②③を、事例Ⅱの開眼情報は⑤⑥を参考にしてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

ツイート置き場

これも置いておくw

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