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中小企業診断士受験支援ブログ

二次試験の解き方<事例Ⅰ〜Ⅲ>

はじめに

こんにちは、エミリーです。
今日は事例Ⅰ~Ⅲの解き方についてまとめておきます。 ブログ全体の目次

脱思考停止

型やあるあるはあくまでも補助ツールです。予備校や模試の活用方法でもお伝えしましたが、これを思考停止で守るのではなく、腹落ちさせてプロセスを磨き込んでほしいです。

予備校オリジナルメソッドについて」抜粋

診断士の二次試験はまさに

つぎの ぶんを よんで、きかれて いる ことの こたえを、□に かきましょう。

です。が、予備校の型や暗記を一生懸命やってきた方々と授業をすると、びっくりするくらい与件も設問も全然読んでいなくてびっくりします。(進次郎構文)
中には与件や設問とは関係ない決まり事?を20分くらいやっていて、勝手に事例を60分で解くというハンデ有りの状況を作りだしてしまっている人たちも…そりゃその解き方の集団の合格率も低くもなるでしょう…。しかも、思考停止するべきであるという洗脳付きでその練習を1年も2年もしてきてしまっているので、まずは洗脳を解くところからのスタートとなります。

思考停止の暗記のみで合格できる試験は探せばいくらでもあるかもしれませんが、診断士試験はそうではありません。「作問者もそういう人には合格してほしくないんだな、そういう人を合格させないための問題を作っているんだな」というのが問題から感じられますよね。診断士試験が思考停止で解ける試験だったら、私はここまで魅了されていなかったと思います。だから診断士試験はおもろいんですよ!(過激派)

診断士試験では必ず見たことがない問題が出てきます。

その時に、与件と設問を読んで、聞かれていることに答えてください。

おすすめのプロセス

1.問題冊子を半分にびりびりに破って白紙のメモ用紙を作る

メモをたっぷり書く必要があるので、白紙のメモ用紙を作ると良いです。書く=考える、書いてない=考えてないからです。
メモ用紙にはなんとなく設問のエリアを作っておくと良いです。

メモ用紙イメージ

2.設問を見て、何を問われているかと制約条件(ヒント)を理解する

まず設問を見て、何を問われているかを理解します。

本当にあった怖い話(誇張なし)

私「この問題は聞かれていることに答えていないですね。この設問では何を聞かれていますか?」
Aさん「えっ、何を聞かれているんだろう…えっと、助言問題です。」
私「じゃあ何を助言しろって言われていますか?」
Aさん「えっ、何だろう…」
私「なんて書いてありますか?」
Aさん「…~~の課題と解決策について述べよ?」
私「ですよね?」
Aさん「なるほど~!それを聞かれていたんですね!」

このAさんとのやりとりを馬鹿にする人がいたら、それはちゃんと設問を読めている人と、自分もAさんと同じなのに気付いていない人の両方だと思うので、じゃあ私は何のためにブログを書いているのでしょうか…
多年度の方ほど「こういうときはこう!」「助言問題はこう!」「○○問題はこう!」などの知識で頭が埋め尽くされていると思うのですが、まずはシンプルに「何を聞かれているのか」を理解してください。

脱「暗考え」

その際、長い文章を長いまま脳内だけで理解しようとするのは無理なんです。
長い計算の暗算って難しいですよね?長い文章の暗考え(「あんかんがえ」という単語を私が作りました今。「あんこう」にするべき?)も同じように難しいんです。勉強が得意な人の問題文にはたくさん書き込みがありますが、勉強が苦手な人の問題文はすっごくきれいなんです。
という訳で、「何を聞かれているか」の部分に蛍光ペンを引くとか、下線を引くとか、斜め線で区切るとか、かっこで囲むとか、分解して理解する必要があります。←どういう印にするとわかりやすいかは人それぞれ違うので、いろいろ試してみてください。

そして、だいたい文末が「何を聞かれているか」で、前半はごちゃごちゃ説明していたりしますよね。そのごちゃごちゃした前半の説明はヒントです。全然違うことを答えちゃわないように、「この辺のことを答えてね」というガイドをしてくれています。それが制約条件と呼ばれるものです。ヒントです。ヒントも理解して、外さないようにメモに書いておきましょう。

3.与件を見て、理解する

どんなことを聞かれるのか先に理解したら、与件を読み始めます。まず1回読みます。キーワードを拾いにいくんじゃなくて、文章を読みます。長い文章を長いまま理解することは困難なので、必要に応じて斜め線を書いて分解したり、メモを書いたり、図を書いたり、整理しながら読みます。たまに「現代文はちゃんと読めていました。現代文では書き込みしながら読んでいました」という方もいらっしゃいます。現代文で必要だったプロセスは診断士試験でもほぼ必要となります。長い文章を長いまま理解することは難しいからです。(大事なので何回も言う)

明らかに「この与件はあの設問だな!」とピンとくるものがあったら紐付けておきましょう。やり方は次の「4.設問と与件を紐付ける」で説明します。

また、SWOTの要素や社長の想いなど、明らかに大事そうなところにも線を引いておきます。

事例Ⅲにおいては、事例Ⅲというのはできていないことを指摘する事例なので、できていない表現が登場するたびに「→ほにゃらら」とやらなきゃいけないことを横にメモしておくと良いです。(ロット過大→小ロット化、過大在庫→過大在庫解消、とか)

4.設問と与件を紐付ける

  • 〇与件に段落番号を振って、設問側(メモ側)に段落番号をメモするやり方や、
  • 〇設問ごとに色を設定して、その設問の色で与件に線を引くやり方

があります。

与件と設問の紐付け

 

やめた方が良いのは

  • ×与件側に設問の番号をメモするやり方です。

やめた方がいい

検索性が低く、探すのに時間がかかるのでやめた方が良いです。

与件を1回読んだだけでは漏れがあるので、「この設問に関係する与件は?」と1問ずつ区切ってサーチしにいきます。キーワードや短文をメモに列挙していきます。

この時点で、与件から入れるべき要素(キーワード等)をメモし終えました。

5.要素の洗い出し

さらに、与件以外の要素を足していきます。施策や効果など、与件には書かれていないけど自分の知識を元に書くべき部分です。

診断士試験は国家資格なので、誰もが思いつくような内容を書きます。自分だけのオリジナルで突飛な素敵アイディアは書かないでください。自分だけのオリジナル雑学も使ってはいけないということです。

うさこさんの例より抜粋

私「この問題では、どうして手作りのお菓子にしようと思ったんですか?」
Uさん「手作り豆腐セットが人気とのことだったので、お菓子も手作りを考えました。」
私「手作り豆腐セットが人気なのは豆腐は出来立てが美味しいからですよね?お菓子には当てはまらないのでは?」
Uさん「あと、×ちょっとひと手間加える料理キットが主婦の人の罪悪感を払拭するから人気だという話を聞いたことがあり
私「現実世界のアイディアとしては素敵ですが、試験の解答としては書かれていない雑学を使ってはダメなんです。」
Uさん「なるほど、診断士試験は『その場にいる全員が思いつける内容を書く』って聞いたことがありますが、こういうことだったんですね…!」

6.与件漏れ確認★

以上1〜5までやった段階で、私も含めて99.9%の人が与件漏れが発生していることに気付きました(私調べ)

最後もう一度、念のため、与件漏れがないか確認します。社長の想いなど大事そうなところに線を引いていたはずです。せっかく線を引いていたのに、設問に使っていないところがないか最終チェックしてください。

7.文章にして答える

メモに書いてある要素を文章にして答えます。ほとんどの人は下書きをする時間がないので、直接解答用紙に書かなくてはなりません。
暗考えはうまくいきません。要素を列挙せずにいきなりアドリブで書き始めると、おかしなことになるので、だいたいどんなことを書くかは単語・箇条書きで良いので列挙してから書き始めてください。「わからなかったのでとりあえず書いてみようと思いました」という問題の出来は、当然かもしれませんがみなさん良くないものです。わからなかったら「とりあえず書く」の前に「もっと列挙してみる」をやってみてください。

ちなみに私は解くスピードが早いので下書きをしていました(マウント)
下書きをする場合は、解答用紙の上に白紙をセットして、回答用紙のマス目を透かして文字をカウントすると良いです。また、文字を全部書かずに省力化すると時短になりますが、それも普通の人にはできないと言われてしまいました(マウント)

下書きイメージ

時間との戦い方

診断士試験は、上記を80分で終えるのが難しいという話だと思います。練習からきっちり80分でしか解かないようにしてスピードを鍛えるか、まずは時間オーバーしてもいいからちゃんと読んでやるか、諸説あると思います。

私は、あまりにも読めてなさすぎる多年度生の方は、まずは時間オーバーしても良いからちゃんと読んでやることをおすすめします。びっくりするくらい全然読んでいないので。時間オーバーでちゃんと読めるようになったら、次に80分でなるべく精度を維持するやり方に移行しましょう。もちろんスピード対策は大事なので80分きっちりの練習をたくさんしなければなりません。イメージとしては、1回か2回で80分オーバーでちゃんと読むやり方を習得して、すぐ80分に戻ってくるような感じです。

いきなり省力化しようとしても失敗する

アナロジー思考だと思って試験とは関係ない話を聞いてほしいのですが、ITサービスの会社が顧客にITツールを使ってもらうためのカスタマーサクセスという概念があります。カスタマーサクセスの施策は

  • ハイタッチ
  • ロータッチ
  • テックタッチ

という3つに分類できます。こんなイメージです。

  • ハイタッチ:正社員がつきっきりで伴走する。
  • ロータッチ:派遣社員が必要なときにだけ連絡する。
  • テックタッチ:メルマガやポップアップで連絡が届く。

ハイタッチの成功パターンすら分かってないときに、いきなりテックタッチ、ロータッチでやろうとしてもうまくいかないんです。まずはハイタッチで成功体験を積んで、「こうやったらうまくいくのか〜」「この部分は省力化できるかも」という知見を獲得してから、その知見を元にロータッチ、テックタッチを設計します。

それと同じで、時間無制限でも全然解けない人がいきなり80分厳守でやってもうまくいかないと思うのです。「こうやったらうまくいくのか〜」「この部分は省力化できるかも」という知見を獲得してから、その知見を元に80分の使い方を設計していただければと思います。

勉強方法

統計データであるふぞろいを使って、失点が大きい問題ではあと何を書けていればよかったのか?それはなぜ出来なかったのか?どうしたら出来るようになるか?なぜなぜ分析します。あるあるは知識として蓄積していきます。(ただしあくまでも現況優先です)
詳しくはふぞろいの使い方ふりかえり方法をご覧ください。

まとめ

事例Ⅰ〜Ⅲの解き方

  1. 問題冊子を半分にびりびりに破って白紙のメモ用紙を作る
  2. 設問を見て、何を問われているかと制約条件(ヒント)を理解する
  3. 与件を見て、理解する
  4. 設問と与件を紐付ける
  5. 要素の洗い出し
  6. 与件漏れ確認★
  7. 文章にして答える

おわりに

以上です!脱思考停止、脱「暗考え」でプロセスを磨いてください!

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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